2012.07.20 UP
「Nちゃん」編
17歳のNちゃんは今、ウチに通院しています。
重い自閉症です。
野球が大好きで音楽も好きで遠い高校にも一人で行けててとても立派なんです。
「Nちゃん、昨日ファイターズ勝ったねー」「うん!○○が打った」とか「サラ・ブライトマン好き」「へー先生もファンなんだよー同じだねー」とお話も楽しい。
Nちゃんはとても優しい子です。お母さんの靴をそろえたり、荷物を持ったり。
健常児でもしないことNちゃんはできます。彼の笑顔は絶品です。天使って実在するんだーって心底思えるんですよ。
実は小学生時代からなにかと縁のあるNちゃん。運動会で次女と同じ組だったり、交通整理当番の私ににこにこ「Rちゃんのお母さん♫」って話しかけてくれたり。お当番が終わって手を繋いで登校したこともあります(娘にしたことないけど)
学年が進んで特別支援学級のある小学校に転校していったけど中学生になって患者さんとして再会。最初はユニットに座ることもままならなかったNちゃん。
高校生になってから1週間に1回歯磨きをしに来てくれます。今ではすんなりユニットに座れます。背中もつけられます。歯磨きだって上手にできます。一緒に歯磨きしたり洗口したり。治療じゃないけどNちゃんにとっては大事な習慣づけ。最近はエプロンもつけられるし歯磨きもさせてくれるようになってきています。
さてNちゃん。高校でミシンを使う授業があるんですって。先日学校祭があって作品を販売したんですと。
昨日、歯磨きの後にトートバッグをプレゼントしてくれました。先生にプレゼントするんだって用意してくれたんですって。あぶなく涙がでそうでした。
Nちゃんありがとーーー!!って握手してNちゃんの満面の笑みをみてまた涙腺決壊寸前。
歯科医師としてNちゃんにしてあげられること全然ない。かえって私のほうが元気もらってる。毎週火曜日の夕方。私にとって実はとても大切な時間。
Nちゃんがみせてくれる笑顔に救われてまた明日から頑張ろーと気合1発。
Nちゃんみたいな天使たちが幸せに暮らせる社会になって欲しいと心から思う。